双星の陰陽師/8話感想 師匠登場、雛月の悲劇に隠された謎がついに明かされる時が来た 紅緒の兄を殺したのはまさかのろくろ?
2016/06/03
物語の鍵である『雛月の悲劇』。2年前に起きたこの惨殺事件の真相がついに明かされる双星の陰陽師、第八話『ろくろの気持ち』のレビューです。
そして、ついに物語が動き始める――
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2016/06/03
物語の鍵である『雛月の悲劇』。2年前に起きたこの惨殺事件の真相がついに明かされる双星の陰陽師、第八話『ろくろの気持ち』のレビューです。
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開始早々ろくろと紅緒が許嫁という関係と新居に同棲してることが繭良にバレてしまい窮地に陥るろくろ。
しかもろくろが陰陽師を再開することに猛反対の繭良。やはり2年前に失意のドン底に陥ったろくろを立ち直らせたのは繭良っぽいですね。まだ大切な弟ポジション的な扱いってところなのでしょうか。
飛び出して行った繭良はうっかり大事なお守りを落としてしまいます。それは繭良自身に秘められた強力な呪力を封じ、ケガレに悟られないようにするためのものでした。
ここで密かに重要なキーワードが明かされています。それはケガレが人を襲う理由。それも高い呪力を持った人間を食い、その呪力を自らの物とするという設定です。
それはつまり陰陽師とは実はケガレの餌として存在している(あるいはしていた?)可能性があるということです。
ケガレがより強力な存在に成長する(あるいは別のナニかに進化する?)ために必要なもの、それが陰陽師という存在である可能性も考えられます。
ケガレに襲われ禍野に連れ攫われた繭良。早速ケガレは繭良を捕食しようとします。
そこに間一髪駆け付けるろくろと紅緒。奇襲で繭良を救い出したものの、相手はかなり強力なケガレでなかなか押し切ることが出来ません。
清弦「虎斬軻遇突智――星に還るがいい…」
そこに現れた若い男。彼こそは十二天将の一人にして繭良の実父、そしてろくろの師匠でもある天若清弦(あまわかせいげん)でした。ちなみに繭良に全然似てないと言われる清弦ですが、アホ毛の色は繭良に遺伝したっぽいです(笑)
陰陽師になる覚悟をろくろに問う清弦。流石に師匠の貫禄です。あらゆる点で弟子の遥か上を行きます。ここまでの余裕、実力差と貫禄差のある師匠キャラは久しぶり。東方不敗か比古清十郎を思い出します。まぁ後々のケガレ戦になると弱体化しちゃうんでしょうけど(笑)
対戦の渦中、清弦はろくろのトラウマの根源である2年前の事件――雛月の悲劇について語ります。
その台詞に驚く紅緒。ここでようやく紅緒はろくろが雛月の悲劇の唯一の生き残りだと知ります。そして彼女の双子の兄が命を落とした事件こそ、その雛月の悲劇でした。
石鏡悠斗(いじかゆうと)。雛月寮でろくろと仲の良かった少年こそ紅緒の兄その人だったのです。
そして清弦は言います、「ろくろが死んだ候補生を殺した張本人」と――
紅緒「黙ってないで答えなさい……答えろ、焔魔堂ろくろ!」
果たして2年前の真実は? そして4人を見守る謎の人物の正体は?
今回明らかになった呪力の高い人間がケガレになってしまう現象。それは『ケガレ堕ち』と呼ばれているそうです。
そしてそれが歴史上初めて確認されたのが2年前の雛月の悲劇。つまり雛月の悲劇はケガレ堕ちした人間が起こした人為的事件ということになります。
清弦は生き残ったろくろが犯人と言いましたが果たしてそうでしょうか?
犯人がろくろであればろくろが一旦ケガレ堕ちしたけど事件後人間に戻った。そんな危険人物を陰陽連が放っておくハズありません。
とすれば他にケガレ堕ちした人物がいたと考えるのが道理です。しかも今回「またケガレ堕ちが出た」と言っているところを見ると、どうやらここ最近鳴神町で頻出している強力なケガレはケガレ堕ちによって生まれたものと推察されます。
そしてケガレ堕ちを説明する中で重要なキーワードがもう1つ。
それは『生成り(あるいは生熟り?)』です。本来の意味は般若の前段階、女性の中の魔性(鬼)がまだ十分に熟さない状態を意味します。つまりナウシカで言う巨神兵の「腐ってやがる…早すぎたんだ」状態ですね。
では生成りがケガレに相当するとすれば、完全に成長したケガレとは? 一体何が誕生するというのでしょうか?
『ケガレ堕ち』『生成り』『高い呪力の人間を喰らう』、これらのキーワードが結び付けるのは雛月寮が実験場だった(あるいは実験場にされた?)という可能性です。
つまり候補生はケガレ堕ちの母体、あるいはケガレの餌として用意されたという可能性。そうなると更にそれ以前、ケガレによって殺された紅緒の両親にも不審な点があるかもしれません。
次回、激高するのではなく絶望する紅緒の表情。それが何を語るのか、非常に気になります。
物語のピースが揃いつつあり、歯車が噛み合い廻り始めた双星の陰陽師。次回明かされる真実でろくろと紅緒、そして繭良の関係は一体どうなるのか。期待して来週を待ちましょう。
(ごとうあさゆき)
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