アルスラーン戦記/根は優しい万騎長カーラーン裏切りの理由【ネタバレ】
1話では凱旋の際、その凛とした姿を民衆からかっこいいと言われ、
2話では初陣のアルスラーンの緊張を解そうといかにパルス軍が優勢か説明し、アンドラゴラス王をはじめ、兵たちからも厚い信頼を寄せられていた万騎長カーラーン。
アルスラーンからマルヤムのことを問われると、わずかに困ったような顔をして、垣間見られた温厚な一面。冷静沈着で、仁義にも厚い。松尾貴司さんのボイスも違和感なく心地よくマッチ。
しかし知勇に優れた好将カーラーンは早くからパルスに背くことになります。
寝返ったのはルシタニア
ルシタニア軍の策を受けて、死屍累々となった戦場にアルスラーンは出会ってしまいます。
ルシタニア兵を従えるカーラーンに。
「カーラーン!なぜだ!」
「故あってのことです。悲しく哀れな王子よ。あなたは何も悪くない。悪くはないが、……ここで死んでいただこう。」
助けに入ってきたダリューンに、事情を知ればお主とて俺の行為を責めは、と説得に入りますが、かねてから計画的に奸形を謀っていた事実はダリューンの剣を止められるはずもなく。
この“事情”
この事情とは、銀仮面、もといヒルメスを指します。
ヒルメスは実はオスロエス五世、つまり、前王の息子。タハミーネへの嫉妬に狂ったアンドラゴラスの火事に見せかけた暗殺事件がなければ、後々パルス国王となる人物でした。
バダフシャーン公国の宰相の婚約者→略奪され、公王カユーマルスの公妃→パルスに敗戦・併合後、パルス王オスロエス5世の妃→アンドラゴラスに略奪され→ルシタニア王に求愛を受ける、傾国の美女タハミーネについてはこちら。
カーラーンは、このヒルメスのパルスへの正当な復讐と、本来なら王位継承者だった真実を受け入れたのでした。
それは万騎長のなかでは、ヴァフリーズを除いてアンドラゴラスから側近のような扱いを受ける一人であり、それゆえにアンドラゴラスの横暴なまでの王としての器に対して誰よりも危惧していたのかもしれませんし、単純にその根は温厚な面から、ヒルメスを哀れんでいただけなのかもしれません。
ダリューンへの説得もそうですが、ルシタニア軍のカーラーンに対する数々の噂に耐えるシーンが強調されていますから、哀れんでいた面、根の温厚さが強かったといっていいでしょう。
やはりその心は国を思い、義と忠に殉ずる好将
実際、ダリューンとの見応えのある激しい打ち合いの末の事故死の際、
「女、子供に……こやつは、地下道の、偏屈で宮廷嫌いのこやつもつくとは……まったく、この王子は……」
このあとは、『本当の王子だったならよかった』と続いていたんじゃないかなと思います。
穏やかな表情は、カーラーンの一途に国を思う心を表したのでしょうね。そのあとに、アルスラーンの膝に手を置き、そなたの命令を聞けぬと語気を強くして言い放ったのは、復讐がよくないことはカーラーンほどの知将なら知っているでしょうから、アルスラーンの茨の道に対する厳しさという名の餞だったのだと思います。
その一途さがあだになってしまったカーラーン。こういう立場のキャラは小物になりがちですが、そんなことは全然なく。もう出てこないかと思うと寂しい。
その後、息子にザンデという武人がいて、父の意思を継ぎ、ヒルメスの側近として活躍しています。アニメ版でいつ出るのか楽しみですね♪
【追記】
ザンデ出ました!
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アルスラーン戦記
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Comment
「バフリーズ」ではなく「ヴァフリーズ」で、
「ヘルメス」ではなく「ヒルメス」ですよ。
間違ってるので出来れば直してください。
これは失礼しました。