そもそも魔獣とは
▲ 屋敷編で戦ったウルガルム
リゼロの世界には「魔獣」と呼ばれる獣が存在しています。
魔獣とは言葉からも想像がつくように、飛びぬけた身体能力や、魔法的な力などの特異な力を秘めた獣たち。外見は現実の獣に則られていることが大抵で、アニメやゲーム好きの人にとっては馴染み深い存在でもありますが、ヴィルヘルムの嫁テレシアを白鯨が奪ったように人の脅威たる存在、いわゆる敵キャラであることもまた彼らの常です。
リゼロの世界における魔獣は、400年前に死んだとされている魔女の一人『暴食』のダフネが生み出しています。その種類は豊富で、岩豚(ワッグピッグ)、花魁熊(おいらんぐま)、双頭蛇(アボンスコンダ)など様々ですが、そうほいほいといるわけでもありません。
▲ ベアトリスなどの精霊たちも活動源としてマナを徴収しなければならない
従来の魔獣の設定と少し変わっているのが、ウルガルムがそうだったようにマナを食料としていること。常に“飢え”ているダフネは、彼ら魔獣を人間が食料とすることで飢餓が防げるだろうと考えて生み出しました。魔獣自体に食料や水は不要で、エコですからね。
ですがその考えには、「エコ=魔獣が大きければそれだけたくさん食べられる」という程度の意味しか持ちませんでした。そのため、生み出された魔獣たちはマナを食する度に際限なく成長していき、一部の魔獣が凶暴化・巨大化の果て、本能のままに人を食らい、襲うという自体に。
白鯨も含まれている三大魔獣とは、中でも成長にかかる時間の膨大な経過であれ、ダフネ自身が考える魔獣の“完成度”であれ、「天災」級の力を秘めてしまった存在、もといダフネの負の遺産です。
会話が楽しいキャラその5くらい魔女ダフネ
「いぃえぇ、そーゆーんじゃなくってですぅ。ほぉらぁ、あのぉ、わかるじゃないですかぁ、すばるんってばぁ」
「わかんねぇよ! 俺が意地悪みたいな言い方すんな! わかりやすく、セイ!」(web4章47『相性の悪い相手』より)
そんな魔獣たちの少し至らない生みの親、魔女ダフネがどういう外見をしているかというと、肩ぐらいまでの灰色の髪を二つくくりにしている13,4の少女、ですが、――棺に入っていて、拘束具で動けないようにされている上、両目も封じられているという何かの儀式でもしているかのような風貌。加えて棺からは蟹のような足が生えてもいて(ダフネ作の棺魔獣)、若干シュールですが驚くぐらいの速さで移動ができます。
「これまで見た中で(外見的な意味で)断トツで魔女だよ」とはそんなエキドナの作り出した精神体のダフネを見たスバルの言。実際その通りで、白鯨・ペテルギウスな3章までがギリギリラノベ的異世界ファンタジーと言えるなら、ある意味ダフネは、4章がダーク・ファンタジーに足を踏み込んだことを知らせるキャラと言えるかもしれません。
▲ ff10内でも特別インパクトのあった、拘束された召喚獣アニマ 棺+拘束となると、アイアンメイデンなどの拷問器具関係含め、ある程度こういう路線になる。それでもゲーム界隈にはそこそこあって、遊戯王カードなどはエジプトと関係が深いだけあって、棺のカード・演出がやけに多い。(関係ないけど10のシヴァは歴代の中で一番好き。)
と言ってもそこはリゼロ、そしてスバル。フェリスも評価しましたが、18話でのレムのおかげで一皮剥けて良い意味でKYになったスバルくんです。
「白鯨の出現時間と場所、それが俺が切れるカードだ」
その魔の者らしすぎる外見とギャップのある、間延びした可愛い喋り方をするダフネに気怖じすることなく、3章後のスバルはツッコミ&リアクションを見せます。微笑ましいくらい。ホラーゲーム実況でのテンション高い実況主みたいに。
もちろん、可笑しな会話の後はやはり例によって(笑)きちんとダフネの魔女たる所以をまざまざと見せ付けられもするんですけどね。ダフネに触れることはなかったので幸い「捕食」されることはありませんでしたが、左目を見たことで自分の小指と薬指を食べるほどの強烈な飢餓感を経験することによって。(『右目』はさらにキツい。)
「相手を食べようとするのにぃ、自分が食べられる可能性を考慮しないのってぇ、ちょっと勝手すぎませんかぁ?」
「あの子たちがどうやって育って、どれだけ食べてぇ、どこで食べられちゃうのかぁ……そんなこと知っても、ダフネの空腹は満たされたりしませんからぁ」
人格にしてもペースに入り込めないほどのマイペースさのため、ダフネとの相性は最悪と見るスバルですが、ただし全く話ができないというわけではなく、そこの理を解するどこか悲しい部分は狂信者であるペテルギウスを始めとする大罪司教と違う部分でもあり、魔女らしい、超越キャラらしい部分でもあります。(ダフネは位置的には魔の者というより、召喚師とか調教師なんかのそっち方面に近いかも。)
白鯨の能力
そうしていろんな意味で若すぎる創造主の放任主義でぬくぬくと育った白鯨は、もちろんただの巨大な鯨ではなく。2期記事でも触れたところですが、レムも17話で一度存在を消されましたが、いくつかの特殊な能力があります。
1.『消失の霧』
「これがマジもんの霧かよ!? こんなもん食らったら…」
霧とは本来雲の一種ですが、白鯨の出す霧は白鯨から噴出される「見えるマナ」のこと。特別濃い霧は、大地を削り取るほどの物理的な威力も凄まじいですが、浴びれば世界から存在が消されてしまいます。(ただしスバルは覚えていて、周囲も人数が減ったことなど、断片的に覚えている。)
2.『精神汚染の霧』
「いまの声で霧が精神に直接…マナ酔いに似ていますけど…酷い…」
霧にはもう1種類あり、こっちの霧は精神汚染型。耐性のない者は耐えられず、吐き気や頭痛など、果ては首や手首を掻いたりするなどして錯乱します。直接オドに干渉してくるため、フェリスクラスでないと治療の仕様がない。白鯨は消失する濃霧で取り囲んだ上、精神汚染の霧を使うという戦術めいたことをしてみせた。
3.『分裂』
ある程度攻撃を受けると、白鯨は防衛手段として分裂します。ただ、能力なども分散するのに加えて、一匹が一切降りてこないことをスバルは本体だと見抜き、魔女の残り香でおびき寄せてなんとか白鯨の討伐を果たすことができました。
敵のスケールのでかさと言い、現代的な台詞劇っぷりといい、異世界ファンタジーっぷりと言い、15話や3章後のダークファンタジー要素と言い、改めて思いますがほんと色々堪能できるお得な作品ですねぇ、リゼロは。
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Re:ゼロから始める異世界生活
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