天鏡のアルデラミン/8話感想 高地の戦い。本当の実戦――突き付けられる非情な選択に、イクタが出した答えは…?
2016/09/05
本格的な動乱状態に陥った帝国北域の山岳地帯。錯綜する思惑、激しい戦いに容赦無く失われていく人命――イクタ達士官候補生も戦いの渦に巻き込まれていくねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン第八話『いつか三度目に』のレビューです。
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2016/09/05
本格的な動乱状態に陥った帝国北域の山岳地帯。錯綜する思惑、激しい戦いに容赦無く失われていく人命――イクタ達士官候補生も戦いの渦に巻き込まれていくねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン第八話『いつか三度目に』のレビューです。
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慣れない高地での戦い。地の利を生かしたシナーク族との戦いで徐々に疲弊していく帝国軍。悪化する戦況に北域鎮台は補給担当とはいえ、研修演習に中央から来ていた士官候補生部隊をも前線に駆り出す事態となります。
一足先に前線に敷設された野戦病院にも怪我人が絶えません。そこで治療に当たっていたハロの表情にも疲れの色が隠せません。しかも彼女はある懸念を抱いていました。
イクタ「最低でも野戦病院は後方…というかもっと低い場所へ」
ハロ「イクタさん、それいつから?」
そこに到着したイクタはハロが懸念を伝える前に野戦病院を後方に移すべきというハロの考えを後押しします。イクタはこの戦いの趨勢が、高地ならではの地形要件――薄い空気への対応、高山病をどう克服するかという点に大きく左右されることに気付いていました。そしてそれを軍上層部が気付いていないことにも。
その時、イクタ達のいる陣地にシナーク族が夜襲を仕掛けて来ます。イクタは現地部隊の責任者ニカフーマ大尉へ士官候補生部隊は迎撃部隊本隊を援護する役割の任に着く提案を行い、士官候補生部隊の指揮を採る権利を言葉巧みに獲得します。
突然の奇襲に総崩れになる帝国軍本隊。後方で入念な部隊編成を行ったイクタは光照隊のイクタ隊が先鋒を仕掛け足止めを行い、トルウェイ・マシューらの風銃隊で敵陣形を崩し、ヤトリ率いる焼撃隊で蹂躙する策を取り見事に作戦を成功させます。
一方最前線で戦うカンナ達第一連隊は敵の後退に引き寄せられるかの様に急いで山岳を登っていきます。既に3600m…富士山山頂レベルです。
敵が撤退しもぬけの殻になった空き砦に陣を張る第一連隊ですが部隊の疲労はピークに達していました……
やがて兵士達は次々に弱り倒れていきます。それはイクタが最も恐れていた高山病の症状でした。そして夜、カンナ達が弱った頃を見計らったかの様に一斉にシナーク族の大部隊が襲いかかって来たのです――
前線へ補給物資を届けるためこき使われる士官候補生部隊。昨晩の奇襲で本隊が大打撃を受けたせいもあるのでしょうね。仕方なく任務を引き受けるも、途中の陣地を敵に奪われ補給路を絶たれていたことが判明します。
上官であるナジル中尉から少数部隊での威力偵察を命じられるイクタですが、命令の非効率さゆえにこれを拒否。代案としてトルウェイ隊を加えての、たった1時間で陣地奪回作戦を具申します。
敵陣の射程外ギリギリの場所に布陣するイクタ・マシュー隊。
そして遠く離れた敵陣を見下ろす高台に位置するトルウェイ率いる少数精鋭の狙撃隊。前回、イクタからもたらされた新式銃の出番です。
圧倒的な超長距離狙撃を成功させるトルウェイ。敵の陣容を切り崩し、防御陣の一部を面制圧、穴を穿った場所からイクタ・マシュー隊が総攻撃を畳み掛け、見事短時間で陣地を奪回します。
エアライフル――そう名付けられた新式銃はやはり銃身にライフリングを施し螺旋運動によって空気抵抗を抑え、弾道に安定性と脅威の命中率を備えさせました。おまけに望遠鏡を装着したことで完全に長距離射撃に対応、戦争の戦い方を根本から変えることになります。
狙撃手と観測員のツーマンセルを導入することで作戦遂行の効率と周囲の状況の把握を行っています。この部隊編成案はイクタのアイデアなのか、それともトルウェイの発想なのかは分かりませんが狙撃兵科の設立は他国との戦争においてアドバンテージが高くなりそうです。なにより狙撃センスに優れたトルウェイが直接指導するのが一番有効ですしね。
駐屯陣地に補給物資を届けたイクタ達。ホッと一息を吐く暇も無く、傷だらけの伝令が彼らの元を訪れます。それはあの高山の砦からの援軍要請でした……
上官に伝令を直接知らせることなく出撃するイクタ達。それは高山病のことを理解しない上層部に従っては砦の第一連隊と同じ目に遭うことがイクタには分かっていたからです。
途中高所順応のために2日間待機する士官候補生部隊。砦に直接向かえば間に合うかもしれません、しかしそれでは高山病に羅患し戦うことはおろか行軍も満足に行えず、結果シナーク族の術中に陥ってしまう…部隊を指揮するイクタは仲間達の命を預かる以上、砦の味方と仲間の部隊、どちらかを選択せよと言われたら後者を選ぶしかないのです。
2日後、再出発したイクタ隊ですが既に砦は陥落した後でした。援軍の到来を想定してか既に敵兵の姿は無く、砦は帝国兵の骸で死屍累々の山でした。
その死体のほとんどが一撃で屠られており、またその殺され方も首を掻っ切られていることから、あまり抵抗出来なかったことが伺えます。つまり高山病で相当弱っていた、ということでしょう。悲しい証明ですがイクタの判断は正しかったのです。
城壁の上でイクタはカンナの遺体を発見してしまいます。部下アザンの上に覆い被さる様に絶命していた彼女――最期まで彼を護ろうとしていたのでしょう。
イクタ「君とは2度会った…僕は3度目を楽しみにしていたんだ…」
遠く離れた北の地で初めて出会った妹弟子。自由で豊かな発想で、神の呪いを自力で解いた彼女。きっとこれから優れた科学の信徒になってくれたであろう同志――その未来は無能な軍上層部によって永遠に奪われてしまいました。
これまで国と軍の不正と無能によって多くのものを奪われ続けてきたイクタ。彼にとってそれは堆く積もりに積もった喪失感。そこにまた一つ小さな石が積み上げられたのでした。一体どんな思いで彼は彼女の死を悼んだのでしょうか。
高山地帯におびき寄せての空城の計など、少数民族とは思えぬ奇策を入れ知恵する謎の男の存在。一体この男の正体は何者なのでしょうか。
それに手に載せていた鳩は伝書鳩…? では一体どこと連絡を? 鎮台内や街にスパイがいるのか、あるいはもっと遠方との連絡用なのでしょうか?
幾つかの現場の勝利で部下からの賞賛と信頼を勝ち得たイクタですが、それとは引き換えに大きなものを失いました。
兵士の命を駒にする支配者の遊戯――果たしてイクタ達は今後どの様な行動でそれを覆すのでしょうか。次回が楽しみです!
(ごとうあさゆき)
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