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鉄血のオルフェンズ/37話感想 イオク様狂想曲はまだまだ続く!? その縦横無尽な活躍に戦場は混乱、火星は大迷惑!!

      2017/01/01

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目覚めし厄祭の遺産、天使の名を持つモビルアーマーの圧倒的な戦闘力の前に苦戦を余儀なくされる鉄華団の精鋭達。しかしそれはMAのせいだけではありませんでした。

ギャラルホルンは月外縁軌道統合艦隊アリアンロッドの若きスーパーエリート、イオク・クジャン公の恐れを知らぬ活躍ぶり。彼の勇猛果敢な行動が戦場を掻き乱し、余計な被害を増大させる機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ第三十七話『クリュセ防衛戦』のレビューです。

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意外と冷静な復讐鬼

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数で不利な鉄華団はマクギリスに助力を仰ぎ、MA掃討作戦を実行に移します。しかし合流に急ぐマクギリスの前に立ち塞がるガンダムヴィダール。

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マクギリス「ガンダムフレーム…」
石動「ギャラルホルンのマッチングリストに該当する機体はありません」

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マクギリス「しかしこの固有周波数はギャラルホルン製のリアクターに非常に近い…ラスタルの手の者か?」

やはり元々のガンダムキマリスの2基のリアクターに加え、新造した背部バックパックのエイハブリアクターによって固有周波数に変化が生じている模様。正体を隠す偽装も兼ねているのでしょう。

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ヴィダール「火星で再会するとはな。お前の裏切りの全てが始まったこの土地で。しかし…」

明らかに正体ガエリ…な発言をする謎の仮面の男ヴィダール。

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敵か味方か分からない謎のガンダムの出現に主を庇う姿勢を見せる石動操るヘルムヴィーゲ・リンカー。実にサンライズパースの映える重装甲な機体です。斬艦刀ライクな超重太刀という武装もロマンがあっていいですね。

しかし水を差すようなジュリエッタからの連絡が入り、ヴィダールはここは引くことを意外とあっさり選びます。復讐に最適な時節を見図っているのでしょうか。

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ヴィダール『俺には分からない…自らへの愛を叫び散っていったカルタ・イシューと同じ機体に乗るその気持ちが…』

謎のガンダムのパイロットから入る突然の通信。その声と台詞によってマクギリスは相手の素性を察した様子です。

果たしてヴィダールの真意は一体どこに? そしてもし彼の正体がガエリオだったとすれば、やはりマクギリスが彼を生かしたということなのでしょうか。

ガンダムフレーム応答せず

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一方MAと対峙したガンダム達にも次々と異変が起こります。膨大な情報のバックラッシュに鼻血を吹き出し気絶する昭弘。そして三日月にも異変が…?

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グシオンやバルバトスに起こった異常、それは天敵であるMAに対してガンダムフレームが持つ抗体反応とも呼べるシステムの存在でした。

フルパワーで戦うことを要求するガンダムフレームに対し、阿頼耶識システムがパイロットを保護するためのリミッターを作動させていたため2つのシステムが相互干渉して不具合が発生していたのです。

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阿頼耶識のリミッターを解除すれば1期の最後、アーブラウにおけるエドモントン戦役――グレイスアインとの戦いで三日月の身に起きた悲劇、視覚や身体の自由をガンダムに喰われてしまう症状が再来しかねません。

流石のオルガもバルバトスとグシオンの使用を断念。残存戦力によるMA迎撃を立案します。

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渓谷爆破でMAとサブユニットの連携を断とうと罠の準備を進めるユージン達。必死で防衛線を維持するチャドやラフタ達MS部隊ですが、その努力を無駄にする一撃が炸裂します。

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イオクのレギンレイズが放った全力射撃にMAは激おこプンプン丸状態に(なおダメージは無し)、すると鉄華団のMSを無視して一気に渓谷を突破、イオク機に迫ります。

どうやらMAの戦術アルゴリズムには、本体を直接攻撃した者へ優先して攻撃する(接近する?)プライオリティー設定がある模様です。

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イオク「バレルが逝ったか…限界を超えた最後の一撃、感じたか? それが私を信じ散っていった者達の痛みだ!」

勝手に戦場に現れては現場に混乱と犠牲をもたらすイオクくん。まさに敵も味方も大迷惑な(しかも本人がそれを自覚していない)存在。まさにトリックスターです。意外にこういうタイプの人が周囲に迷惑をかけながらも生き残りそう。

今回はお守り役のジュリエッタが常識人に見えるくらいの八面六臂な大活躍でした。そんなジュリエッタですが、ヴィダールにイオクの世話を押し付けると、自らはMAを倒し七星勲章の名誉をラスタルに捧げるべく狩りに向かいます。

第4の悪魔『フラウロス』、改め四代目流星号、颯爽登場!

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今回ついに登場した鉄華団3機目のガンダムフレーム・フラウロス。もとい四代目流星号。砲撃による遠距離支援がメインの機体で、特徴は両肩の2門の大型レールガン。また機体保持や安定性を高めるための可変機構を有しています。

元々は鉄華団管理下の火星ハーフメタル試掘場、ハシュマルとほぼ同じ場所から発掘されました。恐らくは前大戦末期に相打ちとなり擱座したまま放置された、あるいは戦闘中落盤等に巻き込まれ、互いに地中深く埋もれてしまったのかもしれません。

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発掘後は歳星のMS工房にて修理と整備、調整が行われていました。発見時は白いカラーリングでしたが、専属パイロットに抜擢されたシノの要望で彼のトレードマークであるピンクメインのカラーリングとノーズアートが施され、流星号として新生。

武装は、肩部(変形後は背部)の超長距離射撃用レールガン2門(コンソール表示上はライフル)、背部から両脇に展開する手持ち兼用の120mmマシンガン2丁、先端が鉤状に湾曲したアサルトナイフが2本。基本的には射撃戦を想定しており、近接戦闘を考慮した機体ではありません。

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レールガンに用いられる弾は本来ダインスレイヴと呼ばれる対ナノラミネートアーマー弾。しかしこのダインスレイヴは現在ギャラルホルンが条約によって禁じている非合法兵器であるため、鉄華団ではダインスレイヴを用いない弾丸を開発、禁止条約すれすれの運用を行うことで法の目を掻い潜っています。

ちなみにモチーフの『ダーインスレイヴ』とは北欧神話に登場する神ヘグニが持つ武器のこと。一度鞘から抜いてしまうと、生き血を浴びて完全に吸い尽くすまで鞘に納まらないと云われる魔剣の代表格です。

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そしてガンダムの固有名である『フラウロス』ですが、これは序列64番の地獄の大公爵の名前。過去、現在、未来全ての質問に対して正しく答える力を持ちますが、魔法陣の三角形の中にいないとフラウロスは必ず嘘をつくそうです。

また召喚者の敵を全て焼き尽くす力を持つと言われており、これが対MA・対MSに特化したダインスレイヴ&レールガンを備えている象徴になっているのかもしれません。

七星勲章――MAハンターの栄誉は一体誰の手に?

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流星号のレールガン砲撃によって渓谷を崩し、MAとサブユニット群の連携を断つことに成功した鉄華団。

そこにマクギリスと石動もようやく到着し、いよいよ最後の決戦が迫ります。その様はまるでモンハンの一狩り行こうぜ!竜退治!とかそんな雰囲気。凄まじい激戦が繰り広げられることに。

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MAを牽制すべく怪我の身を推して獅電改・流星号を操るライド。そしてMA討伐の報酬獲得目的で乱入するジュリエッタ操るレギンレイズ。

マクギリス・石動・ジュリエッタらエース級3人の猛攻をものともぜず、暴れ狂うMAの凄まじい攻撃の前に、ライドはまたもや絶体絶命のピンチに陥ります。

しかしその危機を救ったのは――そこに現れたのは、出撃禁止を言い渡されたはずのバルバトスでした。

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三日月「おいバルバトス。あれはお前の獲物なんだろ? 余計な鎖は外してやるから見せてみろよ……お前の力――」

ついにリミッターを解除し文字通り目の色を変えて天使に挑む悪魔バルバトス。300年の時を越え、いよいよ天使と悪魔の戦いが再び始まります――

再び左目から血涙を流し、自身を贄に悪魔の力を解放する三日月。この先どんな結末が訪れるのか、今は静かに見守るしかなさそうです。

(ごとうあさゆき)

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