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幼女戦記/8話感想 ょぅι゛ょ様が敵味方に与える炎の試練。都市まるごとを業火に焼き尽くす地獄の大隊

      2017/03/19


北方戦線――厳しい冬が迫る中、協商連合との戦いの縮小を具申提案するターニャに難色を示す北方軍司令部。そして参謀本部は形勢を挽回する秘策として敵陣奥深くの要衝、オース・フィヨルド軍港基地への電撃占領作戦を発動します。

ターニャ率いる第203航空魔導大隊は作戦の要として基地へ空挺強襲。対艦砲台を破壊することで作戦成功に大きく貢献。基地を占拠したことで協商連合首都への攻略の足掛かりもでき、これにより協商連合の命数も残りわずかなものに。

そして203大隊は次なる任地に向かう幼女戦記第捌話『火の試練』のレビューです。

7話感想
9話感想

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地獄の西方戦線


▲公式#8 次回予告より

共和国軍と激しい戦いが繰り広げられる西方――ライン戦線。ターニャは再びこの地に戻って来ました。


統一暦1925年。帝国軍は協商連合全域を事実上の占領下に置き、戦線を西方一本に集約。いよいよ共和国軍との戦いに本腰を入れることになります。


文字通り共和国軍との血で血を洗う激戦が繰り広げられる地獄のライン戦線。そんな中、元共和国領のアレーヌ市でパルチザンが蜂起したとの報告が届きます。


アレーヌ市は前線と後方――帝国本土とを結ぶ連絡線上にあり、まさに要衝。このままでは前線への補給路が遮断されてしまう危険性があります。空挺魔導師による援軍といい、形としては協商連合戦で帝国軍が使った手をまんまやり返された形ですね。

参謀本部は西方司令部を通じ『アレーヌ市の叛徒および合流してきた敵共和国魔導部隊を排除せよ』との特命をターニャ麾下203大隊に通達します。


西方司令部によれば市内に残る敵勢力はあくまでも『共和国軍』とのことですが、現実に市街地における掃討戦で民兵と非戦闘員(民間人)の区別を付けるのはほぼ不可能。グランツを始めとする大隊各員は遂行困難な任務に困惑と動揺を隠せません。


ターニャ「貴様は考え過ぎるのだ。躊躇したのだろう――この大馬鹿者め!」

やはり任務の是非に動揺を抱えたままの大隊副官のヴァイス中尉は被弾し戦傷を負ってしまいます。

しかし帝国のキャリア軍人として命令を完璧に遂行しなければならない結果主義のターニャは部下に迷いを見せる訳にはいきません。かつ部下の心理面や諸外国への体裁を考えると、戦時国際法に一切抵触しない理論武装を行い、帝国の益に叶う殲滅戦を指揮しなければならないのです。


敵魔導師を追い込み、周辺を包囲。籠城する『共和国軍兵』に降伏と民間人の解放を改めて勧告するターニャ。手続きが終われば周辺を取り囲む砲陣から容赦ない掃討砲撃が開始され、都市ごと焼き払う作戦を実行されます。


指揮所『現在B-4地点にて後退中の敵残存魔導師が殿軍を務めている。友軍の観測班が妨害され砲撃が行えない。排除は可能か?』
ターニャ「目視した、問題ない。可能だ」

砲火に包まれるアレーヌ市から脱出するパルチザン。追撃のため203大隊にはパルチザンを支援する敵魔導師の排除任務が要請されます。


脱出する『民間人』を見逃すようターニャに具申するグランツ少尉。しかしターニャの返答は――


ターニャ「これは上からの命令だ。敵は討たねば討たれるのだ。少なくとも撃つなと言われるまで撃たねばならぬ」


ターニャはグランツに銃を差し出し「撃て」と命じます。それで敵の魔導師を排除せよと。

そして業火に焼かれる街に銃声が鳴り響くのでした――

戦時国際法を守りつつ敵兵を殲滅排除するか。それが悪魔の腕の見せ処


今回の作戦ではまさに『地獄の一丁目』が繰り広げられるライン戦線の模様が描かれ、さらにはいわゆるゲリラ戦術――パルチザン化した民間人による戦闘集団や、そこに合流した正規軍、現地帝国人が人質にされた場合への対応をどう処理するか、即応部隊としての行動が大きなポイントとして描かれました。


戦時国際法、この世界でもハーグ陸戦条約に近い戦争法規が結ばれている様子です。

実際は現実に則さぬかなりのザル法で、特に民兵と民間人の区別(交戦者規定)や捕虜の扱いに関しては現実世界では第一次世界大戦後のジュネーブ条約の改定で大きく補完されているくらいです。


武装蜂起した民間人――幼女戦記では『パルチザン』と呼ばれましたが、日本では『ゲリラ』とも呼ばれることで有名。日本においては両者はほぼ同じ意味で使用されている言葉ですが、本来ゲリラとは『ゲリラ戦術』を意味する軍事用語です。


小部隊に分かれた兵力が隠れ潜み、予め攻撃する敵を定めず、戦線外において隊を運用して、臨機応変に奇襲、待ち伏せ、後方支援の破壊といった、攪乱や攻撃を行う戦法――またはその戦法が用いられた戦闘行為その物を指します。


そのため、現代においてもゲリラ兵が戦時国際法における交戦者規定で『戦闘員に該当するか』には大きなグレーゾーンとなっています。
今回203大隊の隊員が大きく動揺したのも無理ありません。


今回参謀本部はターニャが軍大学在籍時に提出したレポートを雛形に、『戦時国際法に抵触しない形』で理論武装した、体裁を整えた民間人虐殺の手続きを実行するに至っています。

そこに至るまでの体裁は全て整えてあるので民間人が死に至った責任の全ては共和国側にある、という実に悪辣な方法です。まぁ実際に手を汚したのは帝国軍な訳なのですが。中の人が異世界から来たターニャは、こちらの世界の住人の命をもしかするとどこか他人事の様に捉えているのかもしれません。

存在Xの新たなる介入


そして散々ターニャの悪魔的所業を描いたあとのCパートでは、前回ターニャによって無惨な返り討ちに遭った協商連合のアンソン・スー大佐が再登場。なんと生存していたことが判明します。

国は帝国軍の手に落ちてしまいましたが、彼自身は何とか無事友軍に回収された模様です。しかも気絶中にどうやら神の天啓――存在Xの声を聞いた様です。


アンソン「光を見た……あれは神の光だ…」
士官「なかなか興味深いですね。それで、神様はなんと?」
アンソン「…あの悪魔を討ち滅ぼせと――」

ターニャと同じく金色に発光する瞳――強大な魔力を与えられたということでしょうか?


▲ミニアニメ「ようじょしぇんき」#08(2017/03/20 18:00まで)

より激しさを増す西方戦線。一見落ち着いた様に見えた北方戦線もアンソン大佐の復活でどうも雲行きが怪しそうです。

果たして今回の大戦の結末はどの様な結末を迎えるのか――元々は第一次世界大戦モチーフだった戦争観が部分的には第二次世界大戦の様相すら展開されていますが…?

やはり鍵は西方戦線、共和国とどう決着をつけるかがポイントになりそうです。さらに激しさを増しそうな戦火の炎、次回の展開が楽しみです。

(ごとうあさゆき)

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