実業家と言う人間
ラジェンドラという人間を形容してみるなら、実業家。常に自分の利益になることを目的に動く人間は嫌われる傾向にありますが、それは人間には基本的に「良心」があるため。
利益の生み方、得の仕方を知っている人はこの限りではありません。いわゆる穴場にしばしばお金と名誉は落っこちていることはよく言われますね。
ただ、ラジェンドラは失敗します。ナルサスの戦略によって。
そして実業家から国王へ
ナルサスはガーデーヴィのもとに盟約を結んだ手紙を送るという既成事実を作り、ラジェンドラを自軍に引き入れます。ラジェンドラは案外あっさりとこれを受け入れ、以降は(特にアルスラーンに)馴れ馴れしい態度を見せます。
▲ 何度見てもこれはあくどい ジャイアンみたい
けれども、仲間たちが信用できないと口々にいう中、ナルサスだけはラジェンドラに一定の評価を与えていました。
ダリューン「俺はあの男を信用できん」
ナルサス「むしろ俺は、奴がどういう策を巡らせてくるか待ちかねているよ」
それはラジェンドラが敵国の王子で、警戒するべき相手、しかも脅迫めいたことをしているため、などの理由が挙げられますが、策謀家の血もあったでしょうね。
ダリューン「かなりの腕だあの男…ラジェンドラめ、まさか殿下に危害を…」
ナルサス「あり得るかもな」
相手がパルスの孔明ナルサスだからといえばそれまでなのですが、それでもナルサスがこんなにもラジェンドラに対して新たな策を待ち望んでいたのは、多少なりともラジェンドラに(どちらかと言えば好意的な)得たいの知れない部分を感じていたためでしょう。
その未知数の部分は、潔い態度、自軍に懐柔されてもアルスラーンには親しくするし、ダリューンに神前決闘を頼みこんだりと、割とのびのびとしていた点でしょうか。実業家にも同じことが言えますが、前向きでよく吸収できる人が成功するきらいにはありますからね。
「やってくれたな、パルスの王太子よ」
段々と胡散臭さが増していっていますが、やはりその悠々自適さ・快活さは一つの美点でもあり、後々は無事シンドゥラの国王になり、しかも善政をしているとなると納得できる点は多々あります。
結局は、ナルサスが警戒をしすぎた・高評価しすぎていたのですが、ナルサスもといアルスラーン一行が振り回されたのには変わらず。
▲ 頭を下げられる王族はなかなかいないかもしれない
最終的にナルサスも評価する良き国王になっているのですから、国を担う王の器だった、ということでもあり、ラジェンドラはナルサスしいてはパルスをも振り回した「トリックスター」と言えるかもしれません。
「どうだ、アルスラーン殿。俺の自慢の兵たちは」
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アルスラーン戦記
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