謎のアプリ/蛇の攻撃シミュレータをやってみた② まさかのラブラブ展開…!
前回 その1
WHO(世界保健機関)の旗には、杖に蛇が巻きついています。しばしば医療・医術のシンボルマークに使われるこの蛇の巻きついた杖は、アスクレピオスの杖と言って、ギリシャ神話に出てくる医者の杖です。
シンボルマークにもされる通り、アスクレピオスは名医でした。太陽神アポロンの子供として生まれたアスクレピオスは、ケンタウロスの賢者ケイロンの元で学びましたが、まもなくめきめきと頭角を現し、師を凌ぐほどになります。
ですが、その医術もメデューサの血から死者を蘇生できるまでになると、冥府の王ハデスが世界の秩序を乱すと懸念し、12神を束ねる雷の王ゼウスに報告。まもなくアスクレピオスは雷に撃たれ、死んでしまうのでした。
アスクレピオスの杖の他にも、薬学で使われる、杯に蛇の巻きついたシンボルのヒュギエイアの杯や、蛇が二匹になり杖に羽が生えたケリュケイオン(またはカドゥケウス。そんなDSゲームがありましたね。)の杖は商業の場で象徴としてよく用いられます。
太古の昔から、傷つくと脱皮をすることから、不死・再生の象徴とされていた蛇。旧約聖書ではイヴを唆し、ずる賢い存在と書かれていますが、そもそも蛇が医療の象徴となったもっと根源的な理由は、その四肢のない体であるのにうまいこと木に巻きついたり、地上を素早く走り回るその姿に、生命の神秘もとい、医療の可能性を、直接的に訴えかけられるためとはよく言われてきたことです。