アニメでは明かされていなかったステラの父親像
そんな一輝の義父ともなるステラの父親、もといヴァーミリオン皇国の王に関してですが、アニメではカットされているものの、原作では一輝の軟禁中にきちんと語られています。
厳に会う前の一輝は、赤座に対して「ステラを愛している」ときっぱり言った熱もあってかステラの父親にどう切り出すべきか考えます。いわゆる「娘さんをください!」というやつですね。
そこで、一輝はヴァーミリオン王の姿を浮かべます。かつて写真を見せてもらった、ステラと同じ灼熱の髪、赤い目をしていて、2メートル近くある体躯、もみあげに繋がった顎鬚など獅子のごとき人物像を。
その剣幕に呑まれまいと必死な一輝の「娘さんを僕にくださいっっ!!」は、あろうことか厳に見られ、珠雫との近親相姦を心配されてしまう厳唯一のギャグパートとなってしまうのですが。(笑)
ステラから見たヴァーミリオン王
また、ステラ側で父親のことを考えるシーンもあります。
スキャンダルのことがあり、一輝の軟禁後に家に電話をしたステラ。母親の方は交際に理解を示してくれていましたが、父親は『俺に断りもなく娘に手を出すなんぞ許さん!』との一言。
▲ 母親の方は1話で描写があり、いかにも優しそうな声をしている
それは選抜戦が終わったあたりで日本に乗り込んでくると言わせるほどの剣幕でしたが、ステラが中学生の頃の山にキャンプに行った時に、熊の毛皮を着込んでステラを監視していた王のエピソードは、ステラの心配とは裏腹に、どうあがいてもその難攻不落具合を崩されるというもの。(笑)
また、このシーンは新宮寺黒乃との語らいでもあり、黒乃は「お前のようにまっすぐな娘を育てた御仁なのだからな」とステラを励ましつつ、教育者らしい、既婚者らしい説得力のある台詞を言っています。
事件後のヴァーミリオン国王
刀華戦勝利は、同時に赤座率いる倫理委員会の陰謀が明らかとなることも意味します。
当然、事の不祥事は国王の耳にも入るわけですが、国王は倫理委員会とその手先になった報道に強い不快感を示し、こう言います。「七星剣武祭が終わったらヴァーミリオンへ挨拶に来い。判断はそれまで保留にする」
「ステラ、もうやめて。そこまでして騎士にならなくとも」
「いいえ、母さま。わが国のような小国には強い魔道騎士が必要なの。私は必ずこの力を操ってみせる」
ヴァーミリオン皇国は、そんな国王の威厳とは裏腹に弱小国家。そんな弱小国家っぷりを懸念して自分の強さに磨きをかけると決意し、最強騎士の座を手にしながらも、国内での天才騎士という括りが自分の成長を阻むと考えるにいたって留学したほどのステラですから、そんな娘を愛する父親もまた強さには目がないはずです。
ステラに下された歴々の伐刀者たちも見てきたでしょうから、そんな愛娘を上回る一輝の存在はそれだけで評価に値する男でしょうね。一輝の結婚適正の性格の是非なんて、普段の柔和で紳士的な一輝を見れば、語るだけ野暮というもの。(てか、ステラが「認めないなら家出する!」と言い放つビジョンが一番結婚に近いというか…w)
「こういうの、日本語では婚前旅行っていうんでしょ?」
さて、つらつらと書いてはみましたけど。赤座は失脚しますし、血も涙もない厳もそれゆえに一輝を追うことはなさそうですし、こうしてまじめに考えるまでもなくやっぱり二人のゴールインは割りと安泰という。ヒロインがこんなに嬉しそうな表情をするっていうだけでもね。
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落第騎士の英雄譚
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