オーバーロード/グッズのデザインが結構攻めてきてる 心配だったグッズの売り上げだけど結構大丈夫そう?
2016/04/18
▲ 「最後の一撃は、せつない」(ワンダと巨像)
コピーライターは、商品イメージを表すとともに購買意欲をかきたてる非常に短い文面を考える作家です。ドット絵職人や、デフォルメ絵師などと似てもいて、主に一つの小さな特徴をかいつまみ、魅せるセンスが必要とされています。
▲ 「俺より強いやつに会いに行く」(ストリート・ファイターⅡ)
オーバーロードにももちろん、キャッチコピーは存在します。原作の帯限定ですが、「大墳墓から轟く絶叫」「死を統べる絶対王」「不死者の王vs真祖」それから「志向なる力に喝采を」などなど。
面白いのが、オーバーロードの場合、これらのキャッチコピーがキャッチコピー単体ではそれほど機能していないということ。だって、アインズは確かに死を統べる支配者ですし、志向の存在として喝采も受けますが、何か忘れてませんか?アインズは、鈴木悟が一介のサラリーマンだってこと。
平凡なサラリーマン設定は、誰もが共感しやすい主人公設定です。ですが、死を統べる支配者設定は、高校生や、一部のコアなファンしか反応ないのが常。そんなコアな設定が、共感しやすい証拠として、まるで普通の女の子らしい可愛らしい文体で言葉が添えてある。
「死の支配者なのに、普通の女の子が反応する物語?え、なにそれ?」
オーバーロードのキャッチコピーが、キャッチコピーそのものと、so-binさんの美麗イラストと+女の子な文体での説明があって初めてオーバーロードの世界観を表すことが成功している三者結託の様子は、よくできてるなぁと思うのですね。それにはオバロの世界観を表そうとするクリエイターたちの真剣さ、オンラインゲームが確実に普及している現状はもちろん、どちらかといえば男性受けのファンタジー的な要素が女の子に受け入れられ始めている現状も見ることができます。
オーバーロードは、やっぱり比較的一般層にうけるからこそヒット作なんだなぁとしみじみ思う次第です。ニッコリとね。(笑)